仮想通貨を語る上で必ず出てくる言葉、それが「ブロックチェーン」。
単純な仮想通貨の値動きだけを追っているのであれば知らなくても良い言葉ですが、ブロックチェーンは仮想通貨の根底を成す大事な技術です。
仕組みを知っていれば今以上にブロックチェーンが一般的に使われるようになった時に理解しやすいですよね。
決して難しくはありません、ブロックチェーンの概要をさらっと知っておきましょう!
目次
そもそもブロックチェーンって何?
ブロックチェーンは先述したように仮想通貨の仕組みを支える根底となる技術です。
日本語に直すとブロックは塊、チェーンは鎖や繋がりといった意味です。
そのまま訳すとブロックチェーンは繋がった塊。
・・・なるほどさっぱり意味が分かりませんね、詳しく解説していきます!
ブロックは取引データの塊
仮想通貨の特徴の一つとして、全ての取引がブロックチェーン上に記録されます。
例えば日本円にして1円の価値もない取引でも、1兆円を超える取引でも同じように必ずブロックチェーン上に記録されます。
記録はいくつかまとめてブロックと言う単位で検証作業が行われ、この作業の事をマイニングと言います。
ブロックの中には取引のデータがいくつも入っていますが、この取引データはそれぞれ暗号化されておりこの取引データの事をトランザクションと言います。
つまりブロックはトランザクション(取引データ)が塊になったものということですね!
ブロックには1つ前のブロックのハッシュが含まれる
ブロックの特徴として、ブロックにはトランザクションだけではなく1つ前のブロックで生成されたハッシュが含まれます。
ハッシュとは暗号化されたデータのことで、新しいブロックに1つ前のブロックのハッシュを含めることで「ブロックDの1つ前のブロックはCである」ということがわかるようになります。
もちろんブロックCにはブロックBの、ブロックBにはブロックAのハッシュが含まれているので、このハッシュをたどることでブロックがブロックチェーン上の正しいブロックなのかを確認することができます。
ハッシュタグを元に前のブロックをどんどん辿っていけるので、つまりブロックが繋がっていますよね。
これがすごくざっくりしたブロックチェーンの正体です。
本当はもっともっとブロックチェーンを語る上で欠かせない話が沢山あります。
例えば一言に暗号化と言っても通貨ごとに暗号化技術は違いますし、ブロックチェーン上の記録を使って即座に契約を行えるスマートコントラクトも知っておきたい技術です。
しかしここではあくまでざっくりブロックチェーンを理解して、実際に仮想通貨に触れる中で一つずつ知って頂ければ良いなと思っています。
ブロックチェーンって安全なの?
仮想通貨を触る上でどうしても不安になるのがそもそもの安全性。
ここでは仮想通貨の根底技術となるブロックチェーンがそもそも安全なのか見ていきましょう。
一つ前のブロックで生成されたハッシュが重要
最も懸念されること、それは過去の取引データの改ざんです。
それを防ぐために重要になるのが”ブロックは一つ前のブロックで生成されたハッシュ値を持つ”ということ。
ハッシュ値はブロックを元に生成されるので、もし過去のトランザクションを一つでも改ざんしようものならブロックで生成されるハッシュ値は全く違うものになります。
例えば現在ブロックA~Dまでブロックが存在しているとします。
このうち、悪い人がブロックBのトランザクションに改ざんを加えたデータを作成しました。
するとブロックBのハッシュ値が本来正しいものと変わってしまうので、結果ブロックCのハッシュ値も異なりますし同様にブロックDのハッシュ値も変わってしまいます。
もしこの改ざんしたデータを元に今までのブロックチェーンを全て書き換えるとしたら、リアルタイムでマイニングをしている世界中のコンピューターの全てのマイニングパワーを上回る必要があります。
現実的に考えて不可能ですよね。
ブロック生成がとても大変
一般的にブロックチェーン上にブロックを生成する作業はとても大変です。
例えばビットコインは約10分に1個新規ブロックが生成されるように設計されています。
実はこれが安全上とても大事で、言い換えれば過去のブロックチェーンを改変するためには新規ブロックが生成された瞬間から次のブロックが生成されるであろう約10分間のうちに全て再計算しなければなりません。
1個のブロックを10分かけてやっと生成しているのに、その間に何個も再計算するのは技術的に困難ですよね。
つまりブロックチェーンはブロック生成が大変なほど、そしてチェーンが長く続けば続くほど指数関数的に改ざんが難しくなると言えます。
マイニングは報酬を目当てにした方が良い
また、そもそもマイニングはその報酬として仮想通貨を得ることができます。
ビットコインのマイニングをしていたらビットコインが、イーサリアムもマイニングをしていたらイーサリアムが貰えるという具合ですね。
改ざんしたデータを正とするために世界中のマイナー(マイニングをしている人/コンピューターのこと)と対峙するより、マイニングをして報酬を貰った方が遥かに効率が良いです。
そのためマイニングは適正な対価を支払うことによって市場の安定供給と不正防止に寄与していると言って差し支えないでしょう。
サーバーダウン等の懸念が無い
ブロックチェーンの強みの一つとして、中央集権的ではないのでサーバーダウン等によってシステムエラーが起こらないと言えます。
ブロックチェーンは日本語でよく分散型台帳と呼ばれますが、世界中のマイナーの元にブロックチェーンのデータが存在します。
そのため一部のマイナーが何らかの理由でブロックチェーンデータを失っても全く同一のデータが他のマイナーの元に存在するので引き続きマイニングを進めることができます。
近年はよくAmazonが利用しているAWSが障害を引き起こし世界中のWebサービスが停止してしまうといった事例がありますが、ブロックチェーンにおいてはその心配が限りなく低く安定性があります。
ブロックチェーンのデメリットは?
ここまでで「なるほど、ブロックチェーンってすごくよくできてるんだな!」と思って頂けていたらとても嬉しいです。
しかしブロックチェーンにもデメリットが無い訳ではありません。
51%攻撃
先述したように、ブロックチェーンは世界中のマイナーによって安全性が担保されています。
しかし逆に言えば、世界中のマイナーが結託して反旗を翻せばマイナーの意図したようにマイニングすることが可能になってしまいます。
マイニングは最も早く計算ができたマイナーが最優先、つまり過半数(51%)以上のシェアを取ってしまえばそれ以降のチェーンを好きなように承認できてしまうのです。
これが51%攻撃というブロックチェーンの仕組みを逆手に取った手法です。
ただし現実的に考えてそもそも51%のシェアを今取ることは非常に難しいです、莫大な費用がかかるのでその費用で普通にマイニングしたほうが現実的です。
また、仮に51%攻撃ができたとしても過去の取引の改竄は行なえません。
もし過去のブロックチェーンを改ざんしようとすると全世界のマイナーを上回るマイニングパワーが必要になる上に、ブロックチェーンはその性質上長く運用されればされるほど過去のブロックを改ざんすることが難しくなります。
可能性としては決して0ではありませんが、世界中の有名企業もビットコイン投資に参入するなど人気を得ている仮想通貨はそれだけマイナー数も多くなります。
マイナー数が多くなればなるほど51%を上回ることが難しいので、現状あまり不安視する必要は無いと思って良いでしょう。
51%攻撃は実際に過去いくつか事例が存在します。
また、知名度やシェアが低いアルトコインはマイナーも少なくなるため被害に合う可能性は決して0ではありません。
ビットコイン=ブロックチェーンではない
仮想通貨初心者の方がよく「ビットコイン=ブロックチェーン」という誤解をしていることがあります。
これは間違えで、ビットコインはブロックチェーン技術を使った仮想通貨です。
ブロックチェーン技術そのものが仮想通貨ではありません、仮想通貨を抜きにして使用することもできます。
例えば自分の日記を改ざんできないようにブロックチェーンで管理する、なんてことも技術的に可能です。
また、ビットコインにブロックチェーンが使われているようにアルトコイン、例えばメジャーなイーサリアムにはイーサリアムのブロックチェーンが存在します。
ブロックチェーン=ビットコインではなく、ブロックチェーンはあくまでもビットコインを支える技術の一つです。
仮想通貨のブロックチェーンって何?初心者にもわかりやすく解説 まとめ
ブロックチェーンについて、ざっくり概要をお伝えしてきました。
ブロックチェーンを語る上でまだまだ他にも知っておきたいことはたくさんあります。
例えばここでお話してきた内容は主にビットコインのPoWと呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを前提にしたもので、このコンセンサスアルゴリズムという初めて聞く方にはさっぱり分からないであろう用語。
他にもブロックチェーンの種類やブロックチェーン上で使われるスマートコントラクト等多岐に渡ります。
しかしとりあえずビットコインのブロックチェーンをなんとなく知っておけば、今後もっとブロックチェーンに興味が出てきた時理解しやすいですよね。
まずはざっくり簡単にブロックチェーンの仕組みを知って、仮想通貨の面白さを感じて頂ければ嬉しいです!